2010年7月25日日曜日

横板の厚みだし&お茶の水OBオケ & 7/8サイズのバイオリン (2010/7/24-25)

【7/24の授業:横板の厚み出し】
今週も、ハードな業務をこなし、やっと週末の授業になりました。
当初の目論見では、横板の厚み出しを終えて、ブロックに横板をつけられれば良いと思っていましたが、全然進んでいません。

今回の横板は、杢が強く苦労したのもありますが、厚み出しも終わりませんでした。
と、いうことで横板をお持ち帰りし、宿題とします。


【003:既に大失敗】
それよりも、ショック(?)だったのは自宅で作成しているモダン・バイオリンですが、やらかしてます。
全く、気づいていなかった(ヲイ!)のですが、ボタン部分を切り落しています。

河村先生曰く「最初は良くやる」そうです。

このまま作っていたら、ネックの仕込みの時まで気づかなかったかも知れません・・・

対処法としては、ボタンを作りなおす方法と、一からやり直す方法の2種類があります。
どちらにするかは、思案中です・・・・


【お茶の水OBオーケストラ】
同じクラスのKさんに誘われて、行ってきました。
個人的には、管がもうすこし多くても良かったかな?とは思いました。

河村先生は、演奏後顔だししたかったようですが、帰ってきてしまいました。
(自分だけ帰ると言えばよかったかもと、帰りの電車で思いましたが・・・)
疲れていて早く帰りたかっただけででした。


【7/8サイズのバイオリン】 (製作番号:005)
嫁さんの同窓会が、7/8サイズのバイオリンを作って欲しいとの事。
1~2年待ってもらえるなら良いよと、とりあえず安請け合いしてみました。

嫁さんの友達が待てなかったら、嫁さん(身長150cm強)に使わせることにしましょう。

義姉のバイオリンも進みようもないので、新たなバイオリンの構想を練ることにします。
早速、7/8サイズってどうなのよ?と思い調べてみると・・・
あまりちゃんとした情報がありません。

どうやら正解は「特に規定はない」みたいです。
要するに、3/4とフルサイズの中間らしいです。
3/4をちょっと大きくしたものや、4/4をちょっと小さくしたものとかがあるようです。
とは言え演奏する立場からすると、丁度真ん中位かそれよりもやや大きい位でないとあまり意味がないのではないかと思います。
演奏するうえで大きさが問題になるとすると、主に長さで、横幅はあまり影響がないかもしれません。
但し、ハイポジションの時には、幅も影響するかもしれませんが・・・

明確な基準がないのであれば、弦長に基づいてサイズを計算するしかありません。
弦の長さはいくつでしょう?と調べていたら、『319mm』という数値がいくつかの情報から得られました。
これを基に、計算をしていきます。

  • 弦長 319mm
    • 4/4が328~330、3/4が310mm程度ですので、丁度中間くらいです
  • 全長 345mm
    • 4/4の356mmから比べると、あまり小さくありません
  • 全高 59.8mm
    • 横板を30.0mmにして、表板を14.0mm、裏板を14.8mmにしてみましょうか?
  • ネック        126.4mm
  • 駒までの長さ   189.6mm
  • アッパーバウツ  154.5mm
  • ミドルバウツ   101.3mm
  • ロアバウツ    199.4mm
後は、駒の高さとバスバーの長さ位かなと思います。
ブロックの大きさも決めなくては・・・

電卓でいちいち比率を計算するのが面倒くさくなってきたので、Excelで計算できるようにしたいと思います。

2010年7月18日日曜日

ガラス板定番&裏板 (2010/7/18)

【ガラス板到着】
昨日、卒業式(?)が終わってから大急ぎで帰宅し、無事ガラス板を受け取ることができました。
12mm厚のガラス板です。
定盤で使うからということで、縁の処理が切りっぱなしです。
このままでは、手を切りそうなので、枠を付けます。
嫁さんが車を使う前に、ホームセンターまで材料の買出しです。

丈夫なものであれば何でも良いので、パイン材の板と適当な柱を買って帰りました。
ガラスの淵は、真直ぐではありませんでしたが、自分で加工することもできないのでそのまま組み付けます。
タイトボンドで貼り付けただけで良いかとも思ったのですが、それなりの重量があるのと、ボンドが乾くまで待っていられなかったので、木ねじを併用しました。
400mm×500mmのサイズがありますので、バイオリン程度であれば十分な大きさです。

早速、使ってみたのですが、透明なガラスだと良く見ないと隙間が判りません。
石の方が良かったかも知れませんが、紙やすりを貼り付けて使う分には全く問題ありません。
目視する時は、良く見るようにします。

ここまで出来た所で、一汗かいたことですし、朝ごはんを作りつつ一休み。
食材の買出しに行っていなかったので、たいしたものができそうもありません。
お中元でソーメンが届いたことですし、ソーメンチャンプルにしました。
ソーメンをひと煮立ちしたところ(普通に食べるには硬いレベル)あげて、油で和えておくのがポイントです。
今回は、ソーメンが固まりにならずに上手くできました。


【裏板の面だし&寸法だし】
暑さに負けて途中で投げ出していた裏板の面出しを続けます。
完全にフラットにまではしていませんが、横板と合うレベルまでできたので、寸法出しをします。
(この季節、裏板・表板の削りはキツイ)
こんな風に、ワッシャーを使って横板に合わせて寸法を出します。
C字の先端(何て名前だったか?)は、フリーハンドでデザインします。
先端の幅が7mmになるように、そして、見た目のバランスが良いようにします。

ここまで出来たら、切り出します。
この暑さの中、手鋸で切り出す元気は全くありません。
糸鋸盤で切りだしました。


【失敗&修理】
斜めに力が入ったようで、糸鋸盤の刃が折れました。
折れた刃を抜いている時に、木が割れました・・・・
少しだけ、C字の先端が欠けています。

慌てず、騒がず、割れた木を貼り付けます。
5月の連休の時に作った膠が残っていますが、シャバシャバな状態でしたので使えそうもありません。
タイトボンドで貼り付けてしまいました。

もしかすると、エッジを仕上げた時に割れた部分は不要になるかもしれません。
念のため、直しておきます。

そういえば、横板の割れた部分も少し欠けが残ったままです。
こちらは、膠付することにします。
が、未だそのままです。
こっちは、削ってからパッチ当てをする形なので、後回しです。


【荒削り】
修理も終わったところで、荒削りに入ります。

今回も、弦長を328mにする予定です。
横板は31.0mmですので、裏板を15.5mm、表板ともに15.0mmにすると、合計61.5mmになり丁度良い具合です。

縁の部分は6mmの目印をつけて、そこまで削っていきます。
板厚が22mmもあるので、かなりガシガシと削る必要があります。

最初は鑿で削っていましたが、早くも握力がなくなってきたのと、手のひらが痛くなってきたので、鉋に変更します。
ものの30分も削っていると、Tシャツが汗でビショビショになってきます。
この時点で、未だ20mmもあります・・・・・先は長い・・・・・

荒削りの初期段階では、全体のカーブよりも「断面の形」を意識して削っていきます。
要するに、横から見たアーチの形をイメージしていきます。
そういえば、どこかにアーチのテンプレートを作ったハズだったのですが、見当たりません。
後で、適当な材料で作ることにします。

それが出来たら、全体のカーブをイメージしながら、大まかに形を作っていきます。

縁の部分が6mm位まで減った処で、アウトラインを整えていきます。
板を薄くしてからアウトラインを整えるのは、その方が板厚が薄くて楽だからです。


【昨日の授業にて】
私の横で作業しているKさんが、先週から延々と指板を削っています。
指板を削って、薄くする作業をしています。

裏側から削って薄くもしているのですが、表側からも削って薄くしています。
カーブのテンプレートがあるので、問題はないのですが、裏側の平な面を削る方が楽な気がします。

最初に作った楽器では、殆ど指板を加工していないので、重い楽器になっています。
指板の後端もボッテリと厚いので、見た目が良くありません。
今回は、指板も加工しようと思います。
ですので、Kさんが色々と質問している内容は、覚えておくことにします。
(メモをとっていたので、後でコピーを取らせてもらうのも良いかも・・・)

授業が終わってからも、指板の磨き込みをされていたようなので、最後まで見れませんでしたが、「フィンガーボードオイル」を使っていたようです。
匂いを嗅ぐ限り、亜麻仁油に揮発性のあるアルコールみたいなものを混ぜている感じでした。
(アルコールとオイルは混じらないよなぁ・・・?)
化学的にはおかしいので、有機溶剤系なのかも知れませんが・・・

自分の時には、亜麻仁油でサンドペーパー掛けをしたので、どんな仕上がりになるのか興味津津です。


明日も祭日なので、荒削りをもう少し頑張る予定ですが、暑さと家事と仕事でどこまで進むやら・・・
早くも、病院行くので送ってゆけといわれています・・・・

プロジェクトのスケジュールと見積りも作らなくてはならないし・・・
そういえば、社内レビュー時の指摘事項が宿題になっていた気がする・・・
あぁ嫌になってきた。

一服して、寝ることにします。

2010年7月17日土曜日

ブロック接着 (2010/7/17)

 
内型も完成し、やっとビオラに着手しました。
内型は先週持ち帰り、日晒し亜麻仁油を塗りましたが、1週間で微妙に乾ききっていない部分があります。
作業には影響しないので、気にせず進めます。

【日晒し亜麻仁油】
透明ニス程度しか色がつかないようです。
油自体はかなり粘度が高く、琥珀色と茶褐色の中間くらいの色味です。
塗る時は、ペトロールで薄めて塗らないと乾きが悪いようです。
少し、刷毛に抵抗が残る位まで薄めると、1日位で乾きます。


ブロックの作成にあたり、まずは横板の幅を決める必要があります。
ブロック材自体は、45mmありましたので、かなり大きな幅でも大丈夫でした。

先週、河村先生と幅の話をして別れましので、まずはその続きからです。
結論は、『ビオラの横板の幅は決まりがない』ということでした・・・・

今回のコンセプトとしてはモデルのコピーですが、表板・裏板の厚みは若干控え目にします。
代わりに、横板の幅をかせいで箱の容積を稼ぐという考えでいました。
が・・・・、元々のサイズが不明なので、一般的なスモールサイズのビオラよりも大きめにします。

ビオラの横板はバイオリンと異なり、ネック側/中心部分/エンド側で幅が変わります。
(バイオリンでは、フラットか斜めのいずれかです)
ビオラでもフラットにしても良いそうですが、今回は異なる幅にチャレンジします。
(何事も経験だし・・・・)

と、いうことでこんなサイズにすることにしました。
ネック側:36.5mm
中央(ネック側):37.5mm
中央(エンド側):38.0mm
エンド側:37.0mm

サイズの理由は聞くのを忘れたので、次回確認しましょう。

サイズが決まった所で、ブロックの準備です。
ブロックを準備する時に、木目の向きを確認しなければなりません。
今回は、新たなタイプの型(C字のブロック部分が斜め)なので、木取りが判りません。
確認しました。
ネック側:垂直(これは普通ですね)
エンド側:垂直(これも同じく)
C字部分:型に対して垂直か、楽器に対して水平

ここまで来たら、後はひたすら木を削ります。
後で加工が楽になるように、なるべく小さくしたいところですが、修正代も考えて39mmにします。
まずは、片面の面出しです。(基本!)
続いて、垂直の面出しです。(基本・基本!)
大体のサイズが出たら、ブロックを割ります。

木目が曲がっているので、斜めに割れます・・・
型に合わせて面出しをしたら、次に移ります。
一つのブロック材で全部取れるかとおもってたのですが、ギリギリで寸法が足りません。

もう一つのブロック材を見ると、変な所に切れ目が入っています・・・・
もったいないですが、その部分でブロックを割ります。

ブロック材が全部できたら、膠で貼り付けます。
が、型がブロックの真ん中になるように貼り付けますので、型を浮かせておく必要があります。

ブロックのサイズが(一番大きいもので)38.0mm、型の厚みが12.0mm、その差は22.0mm。
22.0を2で割ると、11.0。
1mm余裕をもたせていたので、11.5mmあれば丁度良いです。

ブロックの切れ端を11.5mmにしようかと思いましたが、とても面倒臭いように思えて仕方がありません。
端材置場をあさったら、丁度11.5mm厚の合板の切れ端がいくつもあります。
天の恵みと思い、ありがたく使わせて頂きました。

他の人が使っていた膠のあまりで、接着します。
先生に、つけすぎないようにと注意されたにも関わらず、沢山つけてしまいました。

写真ではクランプで止めていますが、平な面なので手で暫く押えていれば問題ないそうです。
最後の2か所は手で押さえましたが、他はクランプで軽く挟んで作業効率を優先してみました。

ちなみに、最後の2か所をクランプを使わなかった理由は、隣のクランプと当たるからです。


ここまで終わった処で、授業は残り30分ありましたが、先週の疲れと暑さでやる気がありません。
頭の片隅に早退の二文字が浮かびましたが、今日で最後の生徒さんも居るので掃除をしながら残り時間を過ごしました。


【卒業生】
今日が最後の授業の方がいらっしゃいました。
授業の開始時点で、魂柱・駒・ナットの溝・テールピース・ペグの調整が終わっていません。
先生が猛スピードで、仕上げていました。

丁度、授業の時間が終わる頃に音が出せるようになったので、少しだけ弾かせて貰いました。
感想はというと・・・・出来たて過ぎて、良く判りませんでした。
本人は、E線/A線の鳴りが弱いと言っていましたが、ちゃんと音も出ていましたし、音階を弾いても違和感はあまり感じませんでした。

もう、1時間位あれば少しは落ち着くので特徴も出てくるのでしょうが・・・・
自分の楽器も、1ヵ月程度の間は変化し続けました。

先日完成した、バロックバイオリンですが、弓を変えた後の印象はあまり変わりません。
最初にD/G線がもやっとしている感じがあったのは、弓のせいだったようです。
もう暫くたってから、様子をみることにします。
駒をもっとちゃんと仕上げる事と、魂柱の削りなおしですね。

そういえば、駒にもニスを塗って、最後に亜麻仁油で仕上げるそうです。
硬くするのと、保護のためだそうです。
25年以上前に買った楽器を見ましたが・・・・松脂の汚れでなんだか全然判らない状態でした・・・

 

2010年7月11日日曜日

今までつくったものとか・・・

 
iPod Touchで写真をポラロイド風にして遊んでみました。

今まで、作ったものなどの一覧です。

【001:モダン・バイオリン】完成
製作期間は、2007/6/16~2008/12/6で、約1年半です。ディミトリー・バディアロフさんに指導してもらいました。
人生で初めて作ったバイオリンです。
バイオリンらしく女性的な音で、割と艶っぽい音で気に入っています。
最後は駆け足で作ったので、色んな所で手抜きされています。
特に指板周りは何もしていないので、重い楽器です。

【002:バロック・バイオリン】できたばかり
製作期間が2009/1/18~2010/7/3で、こちらも1年半かかっています。
目標1年でしたが、ちょっと無理でした。
最初の1年間はディマさん、残りは河村さんに指導してもらっています。
未だ、できたばかりでニスも乾き切っていないので、音が変わってきています。
第一印象としては、割と枯れた感じの音です。
バロックはこれといった決まりがないので、ノリと勢いで作ってしまったところも多いのです。
指板のベース部分は木目の向きを縦横間違えてしまっているし、黒檀部分も曲げ加工が適当です。
もう暫く置いてから、駒や魂柱は調整することにします。
1枚板の裏板ですが、左右で固さが違い、あまり好きではありません。
できてしまえば、どっちでも良いですが・・・
これは工房にあった弓(何故か白い)で試し弾きをして遊んでいるところです・・・

【003:モダンバイオリン】作成中
義姉のための製作です。
製作開始が2010/4/11ですが、楽器を作っているよりも自宅で作るための道具を作っている時間の方が長い気がします。
表板・裏板ともに2枚の合わせで作っています。
現在の進捗は、横板まで完成し、裏板の面出し中です。
ネックは途中まで切りだした段階。
このペースで作っていると、2011年末になってしまいそうですが・・・

【004:ビオラ】着手したばかり
未だ内型ができたばかりです。
そういえば、どの時点からが製作開始なのでしょうか?
来週(2010/7/17)から材料に手をつけます。
モデルは、「Gasparo da Salo」です。

【道具:パンチャー】
製作期間というか製作日は2008/3/2です。
表板・裏板の厚みを出す目安をつける道具です。
バイオリンで使うことしか考えていないサイズなので、ビオラで使えるかどうかは不明です。
曲がった板の厚みを出すのは大変なので、こういった道具を使うと楽にできます。
これは、学校に置きっぱなしで、自宅用にもうひとつ大型のものを作っています。

【道具:あて板】
横板を曲げて固定するときの、あて板です。
一度、幅が全然足りないものを作ってしまいました・・・・
これもバイオリン用ですので、ビオラで使えるのかどうか?

【その他】
作業台とか、ライニングを止めるときの洗濯鋏とか・・・ナイフの柄とか・・・
楽に正確に作業ができるように道具は作っていきます。
 

Violaの内型作成 (2010/07/10)

 
今週からビオラに打ち込みます。
モデルは、Gasparo da Saloで、ボディサイズが392.25mmと小ぶりな楽器です。

今日は、内型を仕上げ、うまくいけばブロックまで行きたい所ですが、体調があまりよくありません・・・
先週から、プロジェクト2つかけもち&中間管理職の雑務で、睡眠不足の極みです。
良く、授業に遅れなかったと自分でも驚いています。

プロジェクトの片方は、お客さんの組織変更によりキーマンが変わっています。
監督省庁からの指摘されていた前任者が居なくなり、新たなレポートラインになったのです。
そのため、今までの状況を報告する作業に追われていました・・・
合わせて、収益改善も監督省庁から指摘されており、プロジェクト予算が調達できそうもありません。
どうなるのかなぁ?と思っていたら、別ラインからプロジェクト中止の足かせになっていた事柄が解決したと情報が入りました。
来週、出勤してみてどうなっているか・・・?

もう一方のプロジェクトは、終盤になって期限の前倒しを要望されています。
そのため、ドタバタ騒ぎになっています。
社内レビューのハードルがいくつかあるのですが、事前相談したところ大分クリアしてしまいました。
今週を乗り切れば、なんとかなりそうな状況です。

そんな訳で寝不足のまま型作りです。
どうにか、時間内に型だけは終わりました。
型にニスなどを塗っておいた方が良いかを確認したら、塗って構わないとのことです。
気になっていた、ブロックをつける部分も、膠の吸い込み防止のために何か塗ってある方が良いそうです。

ということで、自宅で「日晒し亜麻仁油」を塗ってみました。
オイルニスの原料としても使われるので、同じ香りがしています。
粘度の高いオイルで、塗り難いのでペトロールで薄めて塗りました。

隣にぶらさがっているのは、先日完成したばかりのバロック・バイオリンです。
少々、ニスが乾き切っていないため、紫外線にあてています。

今日は曇天なので窓際に置いていますが、後で直射日光のあたらない場所に移動させておきます。


【次週の予定】
まずは、ブロック。そして横板の厚み出しでしょう。
サクサクと作業が進めば、横板の曲げくらいまでいけるかも知れません。
その前に、ブロックの成型がありますね・・・

ブロック固定用にクランプを6つ持っていかなくては・・・

そういえば、横板(とブロック)のサイズがもらった資料にありませんでした。
標準的なサイズで作るか、元の楽器にあわせて作るかと聞かれましたが、既に表板のアーチをオリジナルから変更予定なので、標準的なサイズで良いかと思っています。

 
 

2010年7月4日日曜日

バロック・バイオリン完成~!(2010/7/3)

 
バロック・バイオリンがやっと完成しました。(多分)
本日初めて音を出したので、ちょっと様子を見てから調整するとは思いますが・・・


【本日の作業】
(1) ナットの調整
ナットは雑に仕上げたままでしたので、調整をします。
全体的に弦に負担がかからないように、スムーズにカーブさせます。
特に、糸巻き側に対して緩やかにさせていきます。

それができたら、弦が通る溝を掘ります。
モダン・バイオリンではE線~G線までを16.5mm幅にしますが、若干広めの17.0mmにしました。
糸巻きの幅(内側)が17mmもないので、E線とG線は内側に向かってカーブさせるように溝を作ります。

この時のポイントとしては、斜めにするのではなく、曲げることです。
斜めにすると、ナットの後端で弦が急に曲がることになるので、好ましくありません。

溝の深さは、弦の1/3が目安です。
溝が掘れたら、鉛筆で塗りつぶしておきます。
これは、弦の潤滑剤代わりです。

溝は、ナイフで刻みを軽く入れた後、細い鑢でシコシコと削っていきます。
ある程度深さが出たら、鑢を回転させつつ削るとスムーズに仕上がります。
最後は、紙やすりをかけておきました。

(2) 駒の調整
ナットができたら、駒を仕上げます。

駒足は、まぁまぁの状態でしたので、弦を受ける溝掘りをします。
E線からG線までの幅は、モダン・バイオリンでは34.0mmです。
こちらは、気持ち広くして、34.5mmにしました。

弦高は、30.0mmにしましたので、指板後端での高さは、E線で4.5mm、G線で6.0mm位になっています。
モダン・バイオリンでは、E線3.5mm、G線5.5mmですので高めになっています。
指板の長さも違う(短い)ので、もっと低くしても良いかも知れません。
特に、E線側は下げても良さそうです。

ここまで出来たところで、弦を張って弾き具合を見ます。
顎あてがない方が違和感があり過ぎて、サイズによる違和感はあまり判りませんでした。
問題なく、弾けるレベルです。

(3) 魂柱の調整
駒をたてるために仮に設置していたので、正しい位置に直します。
最初は駒の真下にあったので、バロックらしさを出したくて駒から離し目にしてみました。
弾いてみると、間の抜けた感じになってしまいました・・・

モダン・バイオリンと同じ位にしてみたところ、大分しっかりとした感じになりましたので、とりあえずはこの場所で様子を見ることにします。

魂柱をずらしているときに、柱が回る感じがありましたので、板との密着にムラがあるようです。
楽器がおちついた所で、再検討しなくては・・・・

(4) その他の調整
E線用のペグの穴をあけ直しています。
他の弦が張られている状態で、弦を張るのがとてもやりにくかったので、右側にあけ直しています。

駒の厚みを緩やかに薄くなるようにしていますが、未だ未だ厚いようです。
これも、様子を見ながら調整です。

結局、弦周りのサイズはこんな風になっています。
弦高(ナット):1.5mm ※モダンでは0.5mm
弦高(指板E) :4.5mm ※モダンでは3.5mm
弦高(指板G) :6.0mm ※モダンでは5.5mm
弦幅(ナット):17.0mm※モダンでは16.5mm
弦幅(駒) :34.5mm※モダンでは34.0mm


【出来上がり写真】
そういえば、ペグボックスが深い(長い)と言われました。
モダン・バイオリンのテンプレートと並べてみたら、大分長い状態でした・・・
確かに、A線を通すのがとてもやり難かったので、ちょっとつめても良いかもしれません。



【ワールドカップ】
行きの電車で新聞を見ていたら、ブラジルが負けているではありませんか!
しかも、自殺点って・・・
どこかで再放送していないかなぁなどと思いながら、ブログを書いていたら、ドイツがアルゼンチンから4点も取っています。
金曜日のお昼休みににどこが勝つかで盛りあがっていたのですが、皆予想が外れたような気がします・・・