2009年1月31日土曜日

横板の接着(2009/1/31)

先週に引き続き、横板です。

今週はハードだったため、横板作りのペースが全然上がりません。
まぁあせっても仕方がないので、淡々と進めます。


今回は、バロックバイオリンを作るため、横板どうしの突き合わせはぴったりとしている必要があります。
(モダンバイオリンの場合には、ネック側は削り落してしまうのでネック側は臨機応変で構わないのですが)

【突き合わせのポイント】
横板どうしがぴったりとくっつくには、どうしたら良いかというと・・・
 (1)小口がまっすぐ
 (2)小口の角度が同じ
要するに、直角且つ真直ぐに仕上げれば良いだけです。
(直角とか、真直ぐとかが一番難しいのだけれど・・・)

どうするかと言うと、スコヤで合わせれば好いだけです。
(そういえば、1台目の時にどうやったか・・・? 覚えてません・・・)
基準となる横板の長手方向は、既に真直ぐに仕上げてあるのが前提ですね。
(ここでも、真直ぐが・・・)


【横板の貼り合わせ】
これもあまり覚えていなかったのですが、内型を固定してからやるのが良いです。

横板を抑えつけながら、クランプ止めするには、もう一本手がないと、非常にやり難いのです・・・
それと、横板を半分固定した後は、クランプで型は重いし、バイスに止めにくいしで、実はバタバタと作業をしていました。
(バイスとクランプの間にあて板が収まらずに、急遽新たなあて板を作りました)

ディマさん曰く「僕の型は(穴が丸いので)止めやすい」そうです。
内型の穴が四角いのは、確かディマさんの指示だったような・・・
(今、作っている内型の穴は、丸くしようと心に誓った瞬間です)

C字部分の横板を付け終えたら、三脚を使って型を固定する方法もあるそうです。
確かに、バイスでやるよりもやり易そうな気がします。
内型をくるくるっと回せるような仕組みを作っておけば、更に楽になりそうなので、ちょっとアイデアを練ってみますかねぇ・・・

忘れがちですが、ブロックの周囲にセロハンテープを張って、内型と横板をくっつけないようにしましょう。


【今回の失敗】
つけた横板を止めるのに苦労していたら、膠が少々煮立ち気味に・・・
横板とブロックの接合部分はあまり力が加わらないので大丈夫だそうですが、ライニングとかバスバーとかで膠の温度が上がり過ぎると、剥がれるのでNGだそうで・・・
ちなみに、適温は60度位だそうです。



【今日の座学?】
横板の接着が終わったところで、残りは1時間。
何をやるにも、中途半端だったので、内型作りをすることに・・・
(ライニングは何となく気が乗らなかったので・・・)

いつものパターンで、特にテーマがあるわけではなく、フリートークの座学です。
今回は、『バロックバイオリンとダンスミュージック』と『表面の仕上』『表板の厚み』でした。

『バロックバイオリンとダンスミュージック』
バロックバイオリンのネックを見て、太いように感じると話たところから、ネックのサイズについてのお話が始まりました。
バロックバイオリンのネックはモダンバイオリンに比べて、太く・短いのが特徴です。
これは、バロックバイオリンに顎あてが無いため、演奏方法が異なるからです。
どう演奏方法が異なるかと言うと、左手のポジションチェンジが少ないのです。
顎でバイオリンを支えて、ポジションダウンをすることができないため、親指主導でポジションチェンジをします。
要するに、指先だけでチェンジするのです。
そのため、ネックが細いと手が届かない、のです。
又、構え方としては、首におしつける、胸(肩)に押し付ける、腹にかかえるといったやり方があり、情感豊かではなく、大きくノリの良い音楽を演奏するほど、構え方が下になるそうです。
構えが下になるほど、ネックも短くなります。
一番短いネックではポジションチェンジなんてしない(腹に抱える弾き方)そうです。
西部劇で出てくる、酒場で踊っているときに奏でる音楽とかのイメージですね。

『表面の仕上』
表面の仕上げについて、紙やすりを使わないそうです。
元々、バロックバイオリンが作られていた時代には、そもそも紙やすりはありません。
紙やすりやスクレパーを使うと、木の表面が綿みたいになるので、音が出にくくなるのだそうです。
ディマさんの楽器は、基本的に鉋仕上げです。
鉋だけで表面を美しく仕上げるのは、至難の業なのですが・・・

『表板の厚み』
これはクラスメイトが持っていた楽器のf字孔が変に曲がっているところから始まったのですが・・・
原因は、表板が薄、魂柱と駒で押されている為、駒の前が変に歪んでしまっていた為です。
横から見たら、駒の足の部分は凹んでいたし、魂柱の部分は逆に膨らんでいました。
以前に修理したオールド楽器のお話を聞いたのですが、この楽器はバスバーに沿って表板が割れたので修理を依頼されたようです。
この楽器は修理歴が全くなく、その時に初めて箱を開けたそうです。
修理の細かい話は割愛しますが、修理の際にいろいろと基準があり、その中の一つに記録を取るというのがあるそうです。
この記録には、板の厚さを測ったりなんやらかんやらというのがあるそうですが、今回は厚みのお話です。
私の1台目もそうですが、駒の下の部分は強度が必要なので、ある程度厚くする必要があります。
その楽器は、7mmもあったそうです。
但し、パフリング付近では2~3mm程度で、ゆるやかに薄くなるように作られていたそうです。
会話の中で、どのくらいの厚みが適切なのか?という話になりますが、木にも依るから一概にどのくらいの厚みが良いかは言えないそうです。
(尤もなのですが、身も蓋もないといえばその通りで・・・ちなみに、わたしのは5mmです)
ストラドバリウス等の修理の経験があるそうですが、長年の修理歴の中で、どんどん薄く削られ(薄い方が鳴り易い)、割れを治すのにパッチが充てられ・・・と、今残っている楽器を調べてもあまり参考にならないそうです・・・
修理歴のない楽器があれば、是非見てみたいのですが・・・
話の中の楽器は、その後も修理歴を重ね、表板が薄っぺらくされただけでなく、当時の記録も無くなってしまっているそうです・・・・


【次回の予定】
次回の予定(目標)は・・・
(1)横板を仕上げる
 まぁ1時間以内だろうなぁ
(2)ライニング作り
 12本作るとして・・・1時間はかけ過ぎかな?
(3)ライニング曲げ&溝掘り-片面
 最低6本は曲げて、ぴったり合わせたいところだなぁ・・・
 3時間でできるかな?
(4)ライニングの接着-片面
 せめて、ここまでは行きたい
 まぁ、30分程度かな?
(5)残りのライニング曲げ&溝掘り&接着
 どこまで行けるか?!

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