2010年2月28日日曜日

バスバーの仕上げとナット&サドル材の準備(2010/2/28)

昨日の授業では良いペースで色々と進んだのですが、未だ遅れています。
ですので、少し宿題として進めていきます。

【バスバーの仕上げ】
昨日習ったやり方で、大体の寸法を取ります。

次に、きれいな曲線を描くように下書きをします。
これはフリーハンドです。

まずは、下書きに沿って鉋で削ります。
この作業は、バスバーと表板を合わせる作業に比べたら、気楽なものです。

全体のバランスを見て、良さそうな具合になったところで、バスバーの角を丸めます。
私の場合は、表板がふたこぶラクダ状なので、漢字の「山」みたいに盛り上がりが3か所になってしまいました・・・
バロックバイオリンはモダンバイオリンに比べて、弦のテンションが高いので丈夫さを優先することにしました。

最後に、端の部分を斜めにカットしておしまいです。
このバスバーはかなり紆余曲折があったので、鉛筆やら手垢やらで真っ黒です・・・


【ナット&サドル材】
バロックなので「象牙」で作りたいのですが、水牛の角にしてみました。
象牙は取引禁止なので、海外に行く時にすったもんだがあるそうです。

象牙の端材も手に入ることは入るのですが、丁度良い大きさのものが見つかりませんでした。
ディマさんはマンモスの牙を使っているそうですが、そんなもの一体どこで入手するのか・・・
手頃な水牛にしてみましたが、河村先生に話をしたら、普通に黒檀を使った方が安いよね?と。
価格まで気にしていませんでした・・・

修理が必要になったら、変更することにします。

次回の作業が楽に進められるように、まずは切断しました。
電動の糸のこ盤で切ったのですが、小さいのでやり辛いったらありゃしませんでした。
次回、機会があったら、治具を作ってやることにします。


【残りの作業】
バスバーまで来ましたので、残りの作業はというと・・・
・表板接着
・パフリング(裏/表)
・指板の接着/調整
・駒作成/調整
・ナット/サドル作成/接着
・エンドピン
・テールピース仕上げ
・ニス塗り
・魂柱

終わりが見えてきました。
次回の授業では、表板の接着になると思いますが、膠付したらその後は本体に暫く触れない状態になります。
本体に触れないので、指板もパフリングもできないので、ナットとサドルと駒位しか作業ができません。
駒を中心に作業しましょうかねぇ・・・?

3台目を作るってのも良いアイデアかも知れません。
それともビオラに着手するか・・・?

 

2010年2月27日土曜日

ネックの釘打ち&裏板の接着&バスバー設計&塗装の振返り(2010/02/27)

先週までの遅れを取り戻すべく、ガシガシと進めます。
本日は、できれば箱とじまで進めたいところですが、接着があるので難しいところです。

【ネックの釘打ち】
先週、内型を抜いていたので、その続きです。

まずは、ネック側のブロックを仕上げます。
(釘を打ってしまうと、加工ができないのでこの部分だけ最初にやります)

鑿とサンドペーパーで綺麗にします。
内型とブロックを付けた際に、ボンドで接着しているので、型とあたっていた面はボロボロです。
丁度良いテンプレートがあったので、それを基に角を丸めます。
(河村先生は、1円玉を使っているとか・・・)

(1) 位置決め
まずはじめに、位置を決めます。
ブロックのど真ん中に、くじりで下穴を開けます。

(2)下穴開け
念のため、2mmの下穴を開けます。
この時に、ネックまで届かないようにブロック部分で止めるように注意します。

(3)ブロック部分の穴あけ
釘の太さにあわせて、3mm⇒2mmの下穴を開けます。
3mm部分は間違えて、3.5mmの穴をあけてしまいました・・・

(4)斜めの穴あけ
釘が曲がるように、ネック部分にむかって斜めの穴を開けます。
太さは1.5mmにします。
真直ぐ釘が入っていると、ネック部分を仕上げたときに飛び出してくる可能性があります。
また、釘が曲がっていた方が、抜けにくくなるようです。

釘自体は、予め楔状に先を削っておきます。

(5)釘打ち
後は、釘を打つだけですが、ネックやブロックが割れないように注意しながら打ちます。
妙に硬かったり、木の割れる音がしないかどうかを注意しながら、打ち込みます。
微妙に、釘がねじれましたが、ひとまず完成ということで。


【裏板の接着】
ネックもついたので、裏板を貼ります。

予め、ブロック部分には膠を染み込ませておきます。
これは、ブロックが膠を吸いこんでしまい、裏板と接着できなくなることを防ぐ目的です。
膠は、筆で塗って、指で擦り込んでおきます。
(前回は、たっぷりと盛っただけだったような気がします・・・)

(1)ブロックの整形
内型から抜いた時のままなので、ブロックを滑らかにします。
前回は、直線的に仕上げたのですが、ゆるやかなカーブになるように仕上げます。
考え方としては、楽器が軽くなるようにするということです。
(3次元で丸く抉る製作者も居るそうです)
鑿で整形後、サンドペーパーで仕上げます。
仕上げる際に、横板やライニングで荒いところをついでに綺麗にしておきます。

(2)まずは確認
次に、裏板と横板を合わせてみて、隙間などないかどうかを確認します。
ここで、ひとつ問題が・・・
ネックのボタン部分がいまいちの箇所があります。
どうやら、クランプした際に凹ませた部分があるようです・・・
いろいろと修正しましたが、ごく僅かなのと、完全に仕上げるには全体を削り直す必要があるのであきらめました。

(3)接着
丁度、雨だったので膠付には良かったようです。
作業部屋の扉を閉めて、空気が流れないようにしてから作業します。
エンド側ブロック部分⇒ネック側ブロック部分⇒エンド側のC字ブロック部分⇒エンド側の残りのC字ブロック部分⇒ネック側C字ブロック部分⇒ネック側残りC字ブロック部分と進めます。

パレットナイフを使って膠を塗ります。
ブロック部分は擦りつけるようにナイフを回し、横板だけの部分は膠を塗ったら裏板と横板を着けたり離したりして行き渡らせます。

(4)圧着して待つ
後は待つだけです・・・
待っている間に、外側にはみ出た膠は、筆やナイフで拭っておきます。
筆を使う場合には、筆の水分を切ってからやらないと、膠が水っぽくなってしまうので注意。
待っている間に、ラベルも張っておきました。
鉛筆で書き込みをしていたら、先生から「そんなんで良いの?」と突っ込まれました。
前回はボールペンでサインしたのですが、膠でインクが滲みます。
鉛筆であれば問題ないですが、消えないように上から膠を塗っておきます。


【バスバーの設計】
最後に、バスバーの設計をします。
モダンバイオリンの場合には、高さを11mmにするのですが、バロックなので9mmです。
エンドの高さは・・・・不明なので、モダンと同じ2mmにします。

考え方としては、一番高い部分から低い部分に向かって斜めにバスバーを作り、それを張るというものです。
バスバーを張る表板が平らであれば、直線的になります。
表板は曲線を描いているので、バスバーも曲線になるという考えです。

この時に、一番高い部分をバスバーの中央からずらします。
どちらにどれくらいずらすのでしょう?

回答は、駒にむかってずらします。
駒とバスバーの中心の真ん中が一番高い部分にします。

後は、一番高い部分から1/4位ずつ高さを決めていきます。
こんな感じです。


【おまけ】
授業の終わりくらいに、Y君(ディマさんにバロックを習っていたクラスメート)が来ました。

どうやら、オイルニスの塗り方(調合の仕方)が判らないらしく、聞きにきたようです。
市販のオイルニスなので、レシピは製品にちゃんと書いてあるのですが・・・

話を聞いていると、あきらかに硬化剤の量が多すぎるようです。
作ったニスを見せてもらったら、殆ど固形化していました・・・

私も1年以上前に塗ったので、殆ど覚えていませんが・・・・ディマさんの残した材料や当時の写真を見返したらなんとなく流れを思い出しました。

当時行った順番はというと・・・

(1)重クロム酸溶液での下地処理
杢を際立たせるための処理です。
塗った後、全体的に緑色っぽくなります。
だいたい、半日程度で乾きます。
ちなみに、重クロム酸は劇薬なので、取扱注意!

(2)亜硝酸ナトリウム溶液での下地処理
これも下地処理です。
発色を良くする目的で行います。
今度は全体的に、薄いレンガ色になります。
これも半日程度で乾きます。
亜硝酸ナトリウムは、食品の発色を良くする為にも使うそうです。

(3)ニス塗り 1回目
ベースのニスに、赤見のあるニスを少し混ぜたもので塗りました。
後は、1週間放置!
乾いたら、サンドペーパーを亜麻仁油で湿らせて表面をならします。
これは(↑)、亜硝酸ナトリウムを塗って1時間程度で、ニスを塗った状態。
これは(↑)、1週間後の状態。大分、良い感じになってますね。

(4)ニス塗り 2回目
もう少し赤見を足した方が良さそうだということで、(3)のニスに顔料を混ぜたもので塗りました。
結局、失敗気味だったのですが、顔料は良く砕いて混ぜないと、ブツブツになります。
またまた、1週間放置し、乾いたら表面仕上げです。
塗って、ある程度表面が乾いてから、UVライトで焼いています・・・

(5)ニス塗り 3回目
(3)のニスを若干薄めにして、ムラをとるように塗ります。
今度は、トリポリ石の粉末で仕上げました。
塗った直後(↑)なので、未だヌラヌラとしています・・・
乾いてから磨き上げるとこんな(↑)感じです。
オールド仕上げをするために、こんなもの(↓)で小細工しています・・・
家具とかの木目を再現するのに使うものらしいです。
画材屋で探しましたが、見つかりませんでしたので、油絵の具で代替してみようかと思います。

下地処理を含めてオイルニス塗りに共通しているのは、「勢い」です。
大胆に筆を動かしますが、繊細な注意をしながら行います。
順番は、塗りづらい部分から始めて、一気に仕上げます。
時間をかけていると、にっちもさっちも行かなくなります・・・・

2010年2月21日日曜日

テールピースの修正と仕上げ(2010/2/21)

 
自宅での作業です。

また、黒檀部分が欠けてしまっています・・・
ナイフで削るときに、こじってしまったようです・・・

木目に沿って割れやすいので、注意しながら作業していたのですが、気づいたら欠けていました。


前のように、パテで埋めます。
セロハンテープで型を作ってやろうとしたのですが、なかなか難しいのです。
結局、テープは剥がして塗りこみました・・・


乾いたところで、磨きを入れると、殆ど判りません。
若干、色味が異なるのですが、後で塗装すると判らないレベルでしょう・・・
黒檀部分はニスを塗ることはありませんが、亜麻仁油を塗ることにします。

 

2010年2月20日土曜日

バスバーの製作と接着と釘打ち?、それとテールピース・・・(2010/2/20)

  
遅れを取り戻そうと、バスバーを自宅で進めてきました。

先生に見せたところ、まだまだとの事でした。
これは、ある程度想定の範囲内です。

どこら辺で、接着して良いかどうかの基準が別れるのかを知りたかったので、甘めに作ってきています。

予想通りの回答でしたので、午前中はバスバーを作り、午後はネックの釘打ちをしようと思います。


今日の予定がたったところで、バスバーの続きをしていきます。
そこそこいい具合になり、お昼前に接着ができるかなぁなどと考えていたら、やらかしました・・・
鉋がグッサリと逆目に刺さり、ざっくりと材料がかけてしまいました・・・

気を取り直して修正していたのですが、他にも同じように刺さります・・・・

原因は3つあります。
(その1) 鉋の刃が切れなくなってきている
 これは、研ぐしかありません。
 すぐに研ぎにいきました。
 
(その2) 鉋の刃の出し過ぎ
 これは、次の原因とも関係しています。
 薄皮1枚だけ削れるように調整します。
 丸底の鉋を使うので、微妙な調整と、後はテクニックです。

(その3) バスバーの形が難しい
 表板にあわせてバスバーを作るので、根本的には表板の形が原因です。
 普通は、ひとこぶラクダみたいなカーブを描きます。
 僕の、バスバーは、ふたこぶラクダなのです。
 このため、木目が何か所も変化するため、一方方向に鉋をかけると、逆目になります。


ザックリと削ってしまったバスバーを眺めていてもしょうがないし、今更、表板を作りなおすこともできませんので、気をとりなおして進めます。

まずは、荒削りと思って、目だけを頼りに削っていたら・・・
「チョークを使って下さい」との指示が・・・
荒削りなのに何故に?と思ったら、まずは当たっている所を機械的に削ると、だんだん近づいてくるとの事です。

結局は、機械的に進めた方が早いようです・・・

淡々と淡々と進めていると、「大丈夫ですか?」「最後まで自分でやりますか?」と・・・
できれば、自分でやりたいと申し出て、進めていきます。

集中力が切れたくらいで、声がかかり「どうですか?」
まだ、もう少しなんですが大分良いです、と見せると「着けちゃってもよいかも」との判断がありました。
若干、隙間があるようなないような感じなのですが、合わせた感じがカチッとしています。
ここら辺が、接着して良いかどうかの分かれ目のようです・・・

接着するときに、膠を吸って木が膨らむのと、圧着するのである程度は合わさるのとで、結果オーライなのでしょう・・・

【バスバーの接着】
やっとできたバスバーを膠でつけます。
ポイントは・・・
(1) 膠を塗ったらすり合わせる
 余分な膠を押し出すために、バスバーと表板をすりあわせます。

(2) しっかりと位置を合わせて固定する
 すり合わせたら、しっかりと位置を決めてからクランプします。

(3) 余分な膠は掬い取る
 お湯で濡らした筆で洗うのではなく、掬います。
 濡れた筆を使うと、水分が膠側に流れるので、しっかりと水を切った筆で作業します。

(4) バスバーの端を固定する
 クランプする時に、バスバーの端は必ず押さえます。

この状態で、来週まで放置します。

【釘打ち】
ここまでできたところで、残り時間は1時間弱です。
ネックの釘打ちもできそうです。

釘打ちをする時に、内型を外さなくてはなりません。
内型がない状態の横板は、とても頼りなく柔らかいので、先に準備をします。
 ドリルの刃3本(3.0mm、2.5mm、1.5mm)
 電動ドリル
 マーキング用のテープ

準備ができたところで、内型とブロックを外します。
金槌で、ブロックを叩いて外します。
隙間に、パレットナイフを入れて、外れた事を確認しながら進めていきます。
全部外れた所で、内型を抜こうとしたら・・・抜けません!

膠がはみ出てくっついている処や、ブロックと内型がピッタリし過ぎていて、抜けません。

ブロックと内型が外れている状態で、ブロックの不要になる部分を削っていきます・・・
結局、全部のブロックの角をおとして、やっとこさ抜けました・・・
(バタバタとやっていたので、写真は撮れませんでした・・・)

30分以上、型を抜くのに費やしてしまったので、作業は中止します。

裏板とあわせて、クランプで変形しないように留めておきます。
先に、木釘を打っておいて良かったです。

釘打ちは、次回に持ち越しです。
釘打ちした後、ブロックに膠を染み込ませておく必要があると思うのですが、タイミング的をどうしようか考えないといけなさそうです・・・・
本来、型を抜く前にやっておくべきでした・・・


【テールピースの下準備】
帰宅してから、テールピースの下準備をしておきます。
メープル部分からはみ出た黒檀を削っていきます。

鉋にするか、鑢にするか、ナイフで削るか・・・
今回が初めてなので、何を使うのが良いのか・・・?
指板は、固定した状態で鉋で削りましたが、テールピースは大きさが異なります。

手持ちではどうも安定しないので、バイスに挟んで作業します。
曲がっているので、ナイフで削るのが一番効率的且つ機能的でした。
メープルに合わせて、ギリギリまで削ります。

ここまでできたら、後はスクレパーでメープルを削り過ぎないように黒檀を削ります。
夜も更けてきたので、今日はこのくらいでお終いです。

2010年2月13日土曜日

指板の修正やら・・・・(2010/2/13)

先週の授業はお休みしてしまったので、まだ、指板をやっています。

まずは、割れた部分の修正と、表面仕上げです。

(1) 状態の確認
まずは、状態を確認します。
表からパテ状のものを押し込んで修正するのですが、その方法でできそうかどうかの確認します。
今回の状態であれば、なんとかできそうです。
ついでに、節の部分も直します。

(2) 充填剤を作って塗り込む
黒檀のを削った粉と、ゼリー状の瞬間接着剤を混ぜてパテ状にしたものを塗りこみます。
奥まで入るように、しっかりと塗りこみます。
膠で練る場合もあるようですが、瞬間接着剤が磨いた後の感じが具合が良いそうです。
塗りこんだら、しっかりと固まるまで放置します。

(3) 磨きこみ
紙やすりの番手を、400番位から800番とあげて磨いていきます。
この時に、削り過ぎて形が変にならないように注意しながら行います。

(4) 完成
磨き終えたら完成です。
黒檀を曲げる時にバーナーで炙るのですが、その時に表面が荒くなってしまったのも奇麗になっています。



指板はもうこれ以上単独でできないので、バスバーの作成に移ります。
表板にあわせて、バスバーを削っていきます。
これが緻密な作業なので、時間がかかります・・・・