2011年1月30日日曜日

パッチの続きと、厚み出し (2011/1/29)

 
先週パッチを膠でつけていたので、その続きです。

【パッチの面出し】
裏板の接ぎが再度開くこともなく、パッチも無事についていたので、面を出します。

まずは、平鑿でざっくりと削ります。
パッチを削る時に、ちょっと欠けてしまいました。
この後は、鉋でならしてお終いにしました。


裏側がひと段落したので、今度は表側です。

【パフリングの仕上げと、アーチの荒削り】
約半分残っていた、パフリング部分を3mmの厚みで掘っていきます。
一周できたところで、裏板の山を作りだします。

鑿と、鉋でカーブの具合をイメージしながら掘っていきます。
グローブをして作業しているのは、照明が電球だったので、傘が熱くなっているからです。

今週も、疲れ果てて週末を迎えていたので、あまりペースが上がっていません。
途中経過としては、こんな感じです。
左側がネック側です。
ガスパロ・ダ・サロのイメージですので、割とずんぐりとした感じにするつもりです。
未だ、これからいっぱい削ります。

ここまでの工数:20.5人日
  
  

2011年1月23日日曜日

鉋の改造とか、駒の修正とか、色々と・・・・(2011/1/23)

  
【鉋の改造】
先週作った立ち刃鉋ですが、膠を削ったら鉋台が削れてしまいました。
鉋台は、栂を黒檀でサンドイッチしていたのですが、どうやら栂は柔らかすぎるようです。




真ん中に筋がいくつか入っています・・・

材料を探してみると、バロックバイオリンの指板を作ったあまりの黒檀の薄板がありました。
ちょっともったいない気もしましたが、サイズを測ると、鉋用の材料を採ってもテールピースを作る分は十分に残りそうです。

早速、鉋のサイズに切り出します。
実は、鉋のサイズには少し足りなかったのですが、鉋の長さを詰めてしまう事にしました。


前回同様に、ボンドでつけて、面を出して完成です。
これでもダメなようならば、次回は真鍮でも張ってみます。



【駒の仕上げ】
1台目のバイオリンの駒を加工しました。

何故、今更1台目の駒をと思われるでしょう。
昨日のK女史のバイオリンに触発されただけです・・・

足の部分の加工と、穴の部分の加工です。
いずれも、買った時のままからアウトラインを変更する加工です。

駒の加工をすると思うのですが、工具が隙間に入らない!
これが一番の苦労の種です。

加工が終わったところで、魂柱を作りなおそうかと思ったのですが・・・
魂柱立て自体を加工しないと使えない状態だったのをすっかり忘れていました。

洗濯と買い物を申し使っていたので、こちらは次回に先送りしました。


【義姉のバイオリンの作業】
こちらも少しだけ作業しました。

縁削りはほぼ終わりです。
この後は、表板を作ってから進めることにします。

木釘をパフリングにかかるようにしたいので、こんな進め方を試してみたいと思います。
裏板、表板を横板に仮止めして整形し木釘を仮止めします。
その次に、仮止めをばらして、パフリングの溝掘りをします。
裏彫りをして、箱を閉じてから木釘を入れます。
木釘の部分をちょっと削って、パフリングを入れます。

その前に、ボタン部分の修復(というか作成)をしなくては・・・・
海外のサイトを見ていたら、ボタンの修復(De la Fabrique de Derazey a Mirecourt)を見つけました。

イメージを参考にしてみたいと思います。

ここまでの工数:14.0人日
  
  

2011年1月22日土曜日

裏板のパッチあて (2011/1/22)

 
先週に引き続き、裏板の終了です。

【パッチあて】
先ずは、先週着け直した継ぎの確認です。

工具を外し、仮りのパッチを剥がして状態確認します。
膠がはみ出しているので、よくわかりません。

裏・表のはみ出した膠を削り落とすと・・・
どうやら、何とか着いているようです。


次はパッチあてですが、今回はブロックに隠れる所に細工します。

面一にするので、パッチのあたる溝を掘ります。

パフリングの溝掘りと同じで、ナイフと鑿で細工します。
後で削れるように、パッチよりも少しだけ浅くしなくてはいけません。

確認のために途中でパッチをいれてみると・・・・
とれなくなりました。

なんとかパッチを取りだし、膠付です。

後は、乾くのを待ってパッチを面一にすれば完了です。


乾くのを待つ間、別の作業をします。

【ネック材の面出し】
ひたすら、直角且つ平な面を作ります。
片面が終わるまで、後少しです。
これができたら、反対側を作業します。


ここまでの工数:19.5人日


【番外編】
K女史のバイオリンがめでたく音だしまできました。
完成間もないため、未だ木が動いているようです。
直後にちょっと弾かせてもらったのですが、A線の鳴りが弱いようです。
暫くしてから、魂柱を調整(作りなおし)するのが手始めでしょうか・・・?

丁度、授業の終了時間でしたので、別のクラスの生徒さんも見に来ていました。
こちらの生徒さん達は、作りだしたばかりなので、完成品を目の前で見て士気が上がっていたようです。
  
  

2011年1月18日火曜日

縁削り(2011/1/17)

  
縁削りの続きを、2時間程しました。



大体、3/4位まで荒削りが出来た所です。
一周したら、鑢で仕上げます。

ここまでの工数:13.7人日
  
  

2011年1月16日日曜日

久々の作業・・・(2011/1/16)

  
久し振りにモダン・バイオリンの作業をしました。

【縁けずり】
暫く、手をつけられなかった裏板の続きです。
縁を4mmに削っていくのですが、未だ未だ厚みがあります。

2/5くらいまでラフに削った処です。
縁を削りながら、アーチも少しずつ進めています。
この作業が終わったら、次はなにをしようか思案中です。

パフリングを入れるか、それとも表板を作るか・・・・
先に、箱にして(仮組み)から進めるか、それとも箱にするのは最後にするか・・・・

オールド仕上げをリクエストされているので、木釘をパフリングにかかるようにいれようかと思っていますが、それも含めて思案中・・・・


今の段階で、裏板の厚みは17mm弱でした。
横板の厚みが31mmですので、裏板は15.5mm、表板は16mmにする予定です。
縁も全体もまだまだ削らなくてはなりません。


ここまでの工数:13.3人日




【f字孔の着色】
バロック・バイオリンのf字孔を塗り直しました。
魂柱をたてたときに、色がおちてしまった部分がありましたので、その補修です。

今回は、ワニス(PEINDRE:パンドル)で油絵の具を溶いてみました。
光沢が出ることを狙ってみたのですが、はたして期待通りになるかどうか・・・?
こちらは、乾いてから状態を確かめます。

  
  

接ぎの修理 (2011/1/15)

2011年最初の授業です。

年末年始の飲み続けたせいか、すっかり何をやっていたか忘れています・・・
それに加え、昨夜のひどい鼻づまりのせいで完全に寝不足です。


【今日の作業】
パフリング部分を3mmに削っていきます。
1/4くらいできていたので残りを削りつつ アーチも削っていきます。

半分くらいまで進んだ所でアーチを削っていると、鑿がひっかかる部分があります。
???と思いつつ、良く見ると・・・・

隙間が開いています。
パフリングを入れる時には気付かなかったので、飲み続けている間に開いたのだと思います。


【接ぎの修理】
開いてしまったものはしょうがないので、部分的に接ぎなおしをします。

大まかなながれとしては・・・・
(1)これ以上拡大しないようにパッチをあて
(2)膠をつけて
(3)固定
(4)念のためパッチをあて
(5)被害拡大防止のパッチをとる

(1)のパッチは、横板を適当に切ったものを剥がれた部分の少し先にはりつけます。
1mmしか離さなかったら、近すぎたようです。
作業ができないこともないので、進みます。

(2)は膠を筆で塗って、指でたたきます。
塗ってはたたき、たたいては塗っての繰り返しです。
通常の修理であれば、板をこじって染み込ませるそうですが、板が厚いのとパフリングもしっかりしているのでこの方法はとれません。
地道にたたきつづけるだけです。

(3)はこんな工具をつかいます。
板をはさんで、締め付ける道具です。
名前は・・・・こんど聞いてみましょう。
こんな風につかいます。

膠が乾くまではひとまずこのままです。
(4)のパッチは、ブロックで隠れる部分に溝をほって埋めます。


【ネックの準備】
こっちは本当に何をしていたか忘れていました・・・・
ネックをみると、サイズをだした線がひかれています。

スクロールを少し小さめにしたので、それに合わせてネックのサイズも小さくしたのでした・・・

平ら且つ直角に面を出します。







ここまでの工数:18.5人日
  

2011年1月11日火曜日

新年の製作

  
新年一発目の製作は、鉋でした・・・

昨年末は早々と仕事納めをし、 年末年始は10連休でしたが、バイオリンもビオラも全く手をつけられませんでした。
大掃除に追われる年末で、都合7日間も掃除してました。
おかげで、腰痛が・・・・

年始は年始で風邪をひいいたりなんやらで、製作には手がまわらない状況で、本日やっと作業ができました。


作ったものはというと、鉋です。
スクレーピング・プレーンと言った方が判り易いかもしれません。
日本では、小型の台直し鉋でしょうか・・・・

材料をちゃんと手配していなかったので、手持ちの部材で作りました。
もう少し調整する必要がありますが、とりあえず機能はしています。