2010年2月27日土曜日

ネックの釘打ち&裏板の接着&バスバー設計&塗装の振返り(2010/02/27)

先週までの遅れを取り戻すべく、ガシガシと進めます。
本日は、できれば箱とじまで進めたいところですが、接着があるので難しいところです。

【ネックの釘打ち】
先週、内型を抜いていたので、その続きです。

まずは、ネック側のブロックを仕上げます。
(釘を打ってしまうと、加工ができないのでこの部分だけ最初にやります)

鑿とサンドペーパーで綺麗にします。
内型とブロックを付けた際に、ボンドで接着しているので、型とあたっていた面はボロボロです。
丁度良いテンプレートがあったので、それを基に角を丸めます。
(河村先生は、1円玉を使っているとか・・・)

(1) 位置決め
まずはじめに、位置を決めます。
ブロックのど真ん中に、くじりで下穴を開けます。

(2)下穴開け
念のため、2mmの下穴を開けます。
この時に、ネックまで届かないようにブロック部分で止めるように注意します。

(3)ブロック部分の穴あけ
釘の太さにあわせて、3mm⇒2mmの下穴を開けます。
3mm部分は間違えて、3.5mmの穴をあけてしまいました・・・

(4)斜めの穴あけ
釘が曲がるように、ネック部分にむかって斜めの穴を開けます。
太さは1.5mmにします。
真直ぐ釘が入っていると、ネック部分を仕上げたときに飛び出してくる可能性があります。
また、釘が曲がっていた方が、抜けにくくなるようです。

釘自体は、予め楔状に先を削っておきます。

(5)釘打ち
後は、釘を打つだけですが、ネックやブロックが割れないように注意しながら打ちます。
妙に硬かったり、木の割れる音がしないかどうかを注意しながら、打ち込みます。
微妙に、釘がねじれましたが、ひとまず完成ということで。


【裏板の接着】
ネックもついたので、裏板を貼ります。

予め、ブロック部分には膠を染み込ませておきます。
これは、ブロックが膠を吸いこんでしまい、裏板と接着できなくなることを防ぐ目的です。
膠は、筆で塗って、指で擦り込んでおきます。
(前回は、たっぷりと盛っただけだったような気がします・・・)

(1)ブロックの整形
内型から抜いた時のままなので、ブロックを滑らかにします。
前回は、直線的に仕上げたのですが、ゆるやかなカーブになるように仕上げます。
考え方としては、楽器が軽くなるようにするということです。
(3次元で丸く抉る製作者も居るそうです)
鑿で整形後、サンドペーパーで仕上げます。
仕上げる際に、横板やライニングで荒いところをついでに綺麗にしておきます。

(2)まずは確認
次に、裏板と横板を合わせてみて、隙間などないかどうかを確認します。
ここで、ひとつ問題が・・・
ネックのボタン部分がいまいちの箇所があります。
どうやら、クランプした際に凹ませた部分があるようです・・・
いろいろと修正しましたが、ごく僅かなのと、完全に仕上げるには全体を削り直す必要があるのであきらめました。

(3)接着
丁度、雨だったので膠付には良かったようです。
作業部屋の扉を閉めて、空気が流れないようにしてから作業します。
エンド側ブロック部分⇒ネック側ブロック部分⇒エンド側のC字ブロック部分⇒エンド側の残りのC字ブロック部分⇒ネック側C字ブロック部分⇒ネック側残りC字ブロック部分と進めます。

パレットナイフを使って膠を塗ります。
ブロック部分は擦りつけるようにナイフを回し、横板だけの部分は膠を塗ったら裏板と横板を着けたり離したりして行き渡らせます。

(4)圧着して待つ
後は待つだけです・・・
待っている間に、外側にはみ出た膠は、筆やナイフで拭っておきます。
筆を使う場合には、筆の水分を切ってからやらないと、膠が水っぽくなってしまうので注意。
待っている間に、ラベルも張っておきました。
鉛筆で書き込みをしていたら、先生から「そんなんで良いの?」と突っ込まれました。
前回はボールペンでサインしたのですが、膠でインクが滲みます。
鉛筆であれば問題ないですが、消えないように上から膠を塗っておきます。


【バスバーの設計】
最後に、バスバーの設計をします。
モダンバイオリンの場合には、高さを11mmにするのですが、バロックなので9mmです。
エンドの高さは・・・・不明なので、モダンと同じ2mmにします。

考え方としては、一番高い部分から低い部分に向かって斜めにバスバーを作り、それを張るというものです。
バスバーを張る表板が平らであれば、直線的になります。
表板は曲線を描いているので、バスバーも曲線になるという考えです。

この時に、一番高い部分をバスバーの中央からずらします。
どちらにどれくらいずらすのでしょう?

回答は、駒にむかってずらします。
駒とバスバーの中心の真ん中が一番高い部分にします。

後は、一番高い部分から1/4位ずつ高さを決めていきます。
こんな感じです。


【おまけ】
授業の終わりくらいに、Y君(ディマさんにバロックを習っていたクラスメート)が来ました。

どうやら、オイルニスの塗り方(調合の仕方)が判らないらしく、聞きにきたようです。
市販のオイルニスなので、レシピは製品にちゃんと書いてあるのですが・・・

話を聞いていると、あきらかに硬化剤の量が多すぎるようです。
作ったニスを見せてもらったら、殆ど固形化していました・・・

私も1年以上前に塗ったので、殆ど覚えていませんが・・・・ディマさんの残した材料や当時の写真を見返したらなんとなく流れを思い出しました。

当時行った順番はというと・・・

(1)重クロム酸溶液での下地処理
杢を際立たせるための処理です。
塗った後、全体的に緑色っぽくなります。
だいたい、半日程度で乾きます。
ちなみに、重クロム酸は劇薬なので、取扱注意!

(2)亜硝酸ナトリウム溶液での下地処理
これも下地処理です。
発色を良くする目的で行います。
今度は全体的に、薄いレンガ色になります。
これも半日程度で乾きます。
亜硝酸ナトリウムは、食品の発色を良くする為にも使うそうです。

(3)ニス塗り 1回目
ベースのニスに、赤見のあるニスを少し混ぜたもので塗りました。
後は、1週間放置!
乾いたら、サンドペーパーを亜麻仁油で湿らせて表面をならします。
これは(↑)、亜硝酸ナトリウムを塗って1時間程度で、ニスを塗った状態。
これは(↑)、1週間後の状態。大分、良い感じになってますね。

(4)ニス塗り 2回目
もう少し赤見を足した方が良さそうだということで、(3)のニスに顔料を混ぜたもので塗りました。
結局、失敗気味だったのですが、顔料は良く砕いて混ぜないと、ブツブツになります。
またまた、1週間放置し、乾いたら表面仕上げです。
塗って、ある程度表面が乾いてから、UVライトで焼いています・・・

(5)ニス塗り 3回目
(3)のニスを若干薄めにして、ムラをとるように塗ります。
今度は、トリポリ石の粉末で仕上げました。
塗った直後(↑)なので、未だヌラヌラとしています・・・
乾いてから磨き上げるとこんな(↑)感じです。
オールド仕上げをするために、こんなもの(↓)で小細工しています・・・
家具とかの木目を再現するのに使うものらしいです。
画材屋で探しましたが、見つかりませんでしたので、油絵の具で代替してみようかと思います。

下地処理を含めてオイルニス塗りに共通しているのは、「勢い」です。
大胆に筆を動かしますが、繊細な注意をしながら行います。
順番は、塗りづらい部分から始めて、一気に仕上げます。
時間をかけていると、にっちもさっちも行かなくなります・・・・

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