2010年7月17日土曜日

ブロック接着 (2010/7/17)

 
内型も完成し、やっとビオラに着手しました。
内型は先週持ち帰り、日晒し亜麻仁油を塗りましたが、1週間で微妙に乾ききっていない部分があります。
作業には影響しないので、気にせず進めます。

【日晒し亜麻仁油】
透明ニス程度しか色がつかないようです。
油自体はかなり粘度が高く、琥珀色と茶褐色の中間くらいの色味です。
塗る時は、ペトロールで薄めて塗らないと乾きが悪いようです。
少し、刷毛に抵抗が残る位まで薄めると、1日位で乾きます。


ブロックの作成にあたり、まずは横板の幅を決める必要があります。
ブロック材自体は、45mmありましたので、かなり大きな幅でも大丈夫でした。

先週、河村先生と幅の話をして別れましので、まずはその続きからです。
結論は、『ビオラの横板の幅は決まりがない』ということでした・・・・

今回のコンセプトとしてはモデルのコピーですが、表板・裏板の厚みは若干控え目にします。
代わりに、横板の幅をかせいで箱の容積を稼ぐという考えでいました。
が・・・・、元々のサイズが不明なので、一般的なスモールサイズのビオラよりも大きめにします。

ビオラの横板はバイオリンと異なり、ネック側/中心部分/エンド側で幅が変わります。
(バイオリンでは、フラットか斜めのいずれかです)
ビオラでもフラットにしても良いそうですが、今回は異なる幅にチャレンジします。
(何事も経験だし・・・・)

と、いうことでこんなサイズにすることにしました。
ネック側:36.5mm
中央(ネック側):37.5mm
中央(エンド側):38.0mm
エンド側:37.0mm

サイズの理由は聞くのを忘れたので、次回確認しましょう。

サイズが決まった所で、ブロックの準備です。
ブロックを準備する時に、木目の向きを確認しなければなりません。
今回は、新たなタイプの型(C字のブロック部分が斜め)なので、木取りが判りません。
確認しました。
ネック側:垂直(これは普通ですね)
エンド側:垂直(これも同じく)
C字部分:型に対して垂直か、楽器に対して水平

ここまで来たら、後はひたすら木を削ります。
後で加工が楽になるように、なるべく小さくしたいところですが、修正代も考えて39mmにします。
まずは、片面の面出しです。(基本!)
続いて、垂直の面出しです。(基本・基本!)
大体のサイズが出たら、ブロックを割ります。

木目が曲がっているので、斜めに割れます・・・
型に合わせて面出しをしたら、次に移ります。
一つのブロック材で全部取れるかとおもってたのですが、ギリギリで寸法が足りません。

もう一つのブロック材を見ると、変な所に切れ目が入っています・・・・
もったいないですが、その部分でブロックを割ります。

ブロック材が全部できたら、膠で貼り付けます。
が、型がブロックの真ん中になるように貼り付けますので、型を浮かせておく必要があります。

ブロックのサイズが(一番大きいもので)38.0mm、型の厚みが12.0mm、その差は22.0mm。
22.0を2で割ると、11.0。
1mm余裕をもたせていたので、11.5mmあれば丁度良いです。

ブロックの切れ端を11.5mmにしようかと思いましたが、とても面倒臭いように思えて仕方がありません。
端材置場をあさったら、丁度11.5mm厚の合板の切れ端がいくつもあります。
天の恵みと思い、ありがたく使わせて頂きました。

他の人が使っていた膠のあまりで、接着します。
先生に、つけすぎないようにと注意されたにも関わらず、沢山つけてしまいました。

写真ではクランプで止めていますが、平な面なので手で暫く押えていれば問題ないそうです。
最後の2か所は手で押さえましたが、他はクランプで軽く挟んで作業効率を優先してみました。

ちなみに、最後の2か所をクランプを使わなかった理由は、隣のクランプと当たるからです。


ここまで終わった処で、授業は残り30分ありましたが、先週の疲れと暑さでやる気がありません。
頭の片隅に早退の二文字が浮かびましたが、今日で最後の生徒さんも居るので掃除をしながら残り時間を過ごしました。


【卒業生】
今日が最後の授業の方がいらっしゃいました。
授業の開始時点で、魂柱・駒・ナットの溝・テールピース・ペグの調整が終わっていません。
先生が猛スピードで、仕上げていました。

丁度、授業の時間が終わる頃に音が出せるようになったので、少しだけ弾かせて貰いました。
感想はというと・・・・出来たて過ぎて、良く判りませんでした。
本人は、E線/A線の鳴りが弱いと言っていましたが、ちゃんと音も出ていましたし、音階を弾いても違和感はあまり感じませんでした。

もう、1時間位あれば少しは落ち着くので特徴も出てくるのでしょうが・・・・
自分の楽器も、1ヵ月程度の間は変化し続けました。

先日完成した、バロックバイオリンですが、弓を変えた後の印象はあまり変わりません。
最初にD/G線がもやっとしている感じがあったのは、弓のせいだったようです。
もう暫くたってから、様子をみることにします。
駒をもっとちゃんと仕上げる事と、魂柱の削りなおしですね。

そういえば、駒にもニスを塗って、最後に亜麻仁油で仕上げるそうです。
硬くするのと、保護のためだそうです。
25年以上前に買った楽器を見ましたが・・・・松脂の汚れでなんだか全然判らない状態でした・・・

 

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